伏見連続講座(伏見学)「室町時代の一公家の目に映った伏見」
今日は19日土曜日。
伏見連続講座のために、雨の中、聖母女学院までやってきます。
今日の講師は、京都造形芸術大学客員教授の五島邦治先生です。
演題は「室町時代の一公家の目に映った伏見-「看聞御記」の世界-」です。
先生の話によると、伏見区の歴史編纂に携わったとき、伏見に関する文献があまりにもなかったと。それは鳥羽伏見の戦いで焼けてしまったということらしい。
そういう状況の中で、公家は当時、日記をつけることが仕事でもあったらしく、日々の行事などを後生に伝えるためでもあったようです。
そこで、光厳天皇の曾孫で、崇光天皇の孫の貞成親王の日記から、伏見を見てみることとされ、それを紹介されます。
当時、伏見は農村地帯であり、親王はそもそも、隠棲を命じられるのですが、そのときの生活ぶりが面白いようです。
たとえば、鶏、これは室町の頃までは、公家の家のみで、飼われ、食されることもなく、たまに闘鶏として遊ばれたようです。そもそも、時、方角が重要であった公家の生活には、朝の刻を鳴いて知らせてくれる貴重な生き物として神聖なものだったようです。
ですから、庶民は鶏を飼うことはなく、鴨とかを食べていたのではということです。
また、当時は、能楽のもととなった猿楽の模様を記しているようですが、他にもたくさんの芸能が紹介されていて、そのあまりにもの多さにびっくりということです。
村人の風流踊りなど、この時代の風俗がよくわかるようです。
こういった日記が現代口語で読めるなら、読んでみたいものです。古文書では難しですよね。